「祭り」とは、いにしえでは神への感謝を捧げる「祀り」が起源とされています。その舞台は神社・仏閣が主で、地域のコミュニティの交流の場としての役割も果たしていました。
北海道は、蝦夷地として長らく幕府や本州の干渉を受けなかったことから、いわゆる神社・仏閣は本州に比べ非常に少ないという特色があります。その中でも、伝統が引き継がれている神社がいくつか残されています。北海道旅行に訪れた際には、道内の希少な神社・仏閣を訪ねて歩くのも楽しいものですよ。
● 江差姥神大神宮渡御祭 (えさしうばがみだいじんぐうとぎょさい)
北海道檜山郡江差町にある北海道最古の神社、姥神大神宮の例大祭です。
毎年8月9日、10日、11日の3日間にかけて行われ、370余年たった今でも、蝦夷地一の繁栄を伝承する北海道最古の祭りです。金刀比羅神社例大祭(根室市)、北海道神宮祭(札幌市)と並ぶ北海道三大祭りで、北海道遺産構想推進協議会が選定した有形無形の財産群である「北海道遺産」に選定されています。歴史の浅い北海道で、これほどの規模の神事が残されていることにまず驚きを隠せません。
当時、「江差の5月は江戸にもない」と言われるほど、江差の人々はニシン漁で莫大な富を手にしていました。豊漁の感謝を神に報告したことから祭りがはじまったようです。
3基の神輿と、人形・能楽人形・文楽人形・歌舞伎人形などを配した13台の山車が、祭囃子の音と太鼓の調べに乗って練り歩く姿はかなり豪華絢爛。山車巡行は神に供奉(くぶ)する形で夜を徹して町中を練り歩かれ、当時の人々の熱気が蘇るかのようです。ねりあるいた神輿は1基ずつ拝殿に納められます。これは「宿入れ」と呼ばれますが、これも圧巻!!
ちなみに、江差では山車を「だし」とは呼ばず「やま」と呼びます。京都祇園祭の系統をひいているため、祇園祭の山鉾と同じように、「やま」と呼ぶのです。江戸の祭りでは動く屋台を「だし」と呼びますが、それと別系統であることが伺えます。
http://www.hokkaido-esashi.jp/ubagami/
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● 根室金刀比羅神社例大祭
根室市にある金刀比羅神社は、日本の北方漁業開発の祖であり根室漁場を開いた豪商・高田屋嘉兵衛が1806年に金刀比羅大神を奉斎したのが創祀とされています。
8月10日の前後3日間が例大祭で、市内のほとんどの市場・会社も休みとなり、市民総出で祭りに参加します。根室人は親しみを込めて「こんぴらさんのお祭り」と呼んでいます。
四祭典区ごとの山車と金棒が競演し、海上安全と漁業・産業の振興、町の盛隆を祈願します。いちばんの目玉である総重量1.5tの金色に輝く御神輿は、平成18年に70年ぶりに修繕されました。煌びやかに輝く豪華な神輿は、豊かな漁業資源に恵まれ盛隆を誇った根室の「こんぴらさん」にふさわしいシンボルとなっています。
http://www.nemuro-kankou.com/events/kotohira.html
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● 北海道神宮祭
「札幌まつり」として札幌市民に親しまれている北海道神宮の例大祭です。毎年6月14日・15日・16日の3日間行われ、1世紀以上の歴史があります。北海道神宮は、北海道神社行政の中心地、道民の心のよりどころとして仰がれてきました。明治5年に6月15日を例祭とする勅旨が出た際は、官民とも業務を休みとし、参拝するよう全道に布告したといいます。
現代では休業の縛りはありませんが、15日を郷土の日として札幌市内の公立学校などでは半日休業が行われています。祭りの期間中、神宮では巫女の舞や弓の儀式など厳かな奉納行事が行われ、境内や中島公園内には、露店が約500店並び祭りを盛り上げます。
最終日には、8基の山車と4基の神輿、約1,600人の行列が市内を練り歩く神輿渡御(とぎょ)が行われ、維新勤王隊や個性ある山車がお囃子とともにビル街を練り歩きます。
http://www.hokkaidojingu.or.jp/
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